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巫女と鬼っ子

むかしむかし

産山村という

阿蘇の

小さな山里のお話

そこはとても

美しい村だった

春は若葉に山菜

秋にはアケビや栗

人々は

豊かな大地で

田畑を耕し

炭焼き

などをして

暮らして

いました。

そんな平和な村に

あるとき巫女さまが

産まれました。

産湯を

つかったところが

「御湯船」

その水が

流れ落ちた所が

「湯の尻の滝」と

よばれる

ようになりました。

巫女は

すくすくと成長し

元気に野山を

駆け回ります。

ところが

元気すぎる巫女に

里の子供たちは

ついていけず

いつからか

一人ぼっちで

遊ぶことが多くなって

いきました。

遠くに行って

しまわないように

岩につながれた巫女は

独りさみしい日々を

過ごしていました。

村の長老たちは

巫女の遊び相手を

探すことにしました。

話を聞いた子鬼は

自分が行きたいと

言いました。

反対していた親鬼も

節分の

日暮れまでの約束で

許してくれました。

巫女と子鬼は

すぐ仲良しになり

来る日も来る日も

時を忘れて

遊びました。

節分の日、

太陽が

山に沈み始めます。

子鬼はあわてて

走り出しました。

子鬼は

久住の山に

帰っていきました。

この時の足跡が

今も産山村に

残っています。